会員情報
◎ 吉川 賢様(農学部林学科 昭和47年)
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- 大学に奉職して以来、乾燥地の森林、樹木の生理生態について調べてきました。7年前に岡山大学を退職した後も、地域総合研究センターで研究を続けることができていたのですが、2019年の中国ハイラルでの調査を最後に、コロナ禍のために海外調査ができなくなってしまいました。
- そこで、それまでの53カ国、延べ2000日あまりの乾燥地での調査研究の成果をまとめて、2022年3月に「乾燥地林」(京大学術出版会)と「乾燥地の自然と暮らし」(今井出版)を上梓しました。
- 農工大での思い出は、煙草と麻雀を覚え、アメリカ大使館や立川の基地へデモに行き、そして毎日スギの苗木の日長を調節し、根の長さを測ったことです。関東ロームのほこりっぽい土の上で、モラトリアムをデカダンから実証主義へ駆け抜けました。
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関連Webサイト:
HP
モンゴル草原での調査中(本人は左から二人目)
「乾燥地林-知られざる実態と砂漠化の危機」
◎ 甲斐 明日香様(農学部地域生態システム科 平成20年)
- 水彩画の展示や水彩画教室、子供向けワークショップ、美大生と病院をつなぐ院内展示のサポートなどを行なっています。教室の静物画で植物をモチーフにする際は、観察の手助けとなるように大学で学んだ知識を生かして分類や生態なども解説しています。
- 樹木図鑑を携えて野山をめぐった「樹木学実習」が特に印象深いです。緑の一塊だった林が細分化され、構成種を理解できるようになる過程が喜びでした。卒論が始まるとお互いの調査地に手伝いに行って、全国をめぐれたのも楽しかったです。大学時代に素晴らしい自然に触れながら、研究ばかりか、絵に必要な感性も養ってもらったと思います。母校に感謝です。
関連Webサイト:水彩画家甲斐明日香 Gallery HP
水彩画家甲斐明日香 Gallery HP
展示会の様子
作品「バラ」
◎ 藤村 博志様(農学部農業工学科農業機械専修 昭和57年卒)
- 一般社団法人日本施設園芸協会に2020年の6月から勤めています。
- 2021年は7月14日~16日に施設園芸・植物工場展GPEC in愛知を開催し、コロナ禍にも関わらず、約1万6千人を超える多くの来場者がありました。
- 2022年は、東京ビックサイトで7月20日~22日にGPECを開催予定です。これを見ないと、新たな農業の姿は語れないと思います! 皆さまのご来場をお待ちしています。
- 農水省時代は、大学関係者・卒業生の皆さんとのつながりによって、仕事で助けられることが多く、今も、しかりです。
- また、学科の仲間や部活の仲間(私は準硬式野球部に所属)とは、今も一緒に旅行くなど思い出というより、現在進行形で縁が続いています。
関連Webサイト:施設園芸・植物工場展(GPEC)
施設園芸・植物工場展(GPEC)
GPEC主催者展示①(大型モデルハウス(1ha)標準仕様の紹介)
GPEC主催者展示② (大型モデルハウス内部)
◎ 石井(旧姓:笠井)葉子様(植物防疫学科 昭和56年卒)
- 芝浦工業大学柏中学高等学校で、理科や生物を教え、課題研究指導もしています。ここ5年ほどは、生徒と共にタンポポを採取して、種名を判定し、分布地図を作製するタンポポ調査を実施しています。毎年100~200名が参加します。
- 多くの本には「タンポポの総苞外片(花びらの外側の緑色の部分)を見て、種別を判断する。」と出ていますが、現在は外来種と在来種の交雑が進み、雑種が多く、この方法では解りにくくなりました。そこで、花粉を顕微鏡観察して判別しています。調査結果を分析し科学作品展で受賞する生徒や、タンポポの生態を課題研究する生徒も出てきました。私自身も調査結果を勤務校の研究紀要に載せ、タンポポの生態の不思議にはまっています。
- 植物防疫学科は30名の学科で、友人や先生方と濃く付き合いました。大学近くに下宿していたので、勉強するため、剣道するため、遊ぶために、いつも大学構内に居ました。52歳から高校の非常勤講師になり、中学教員免許を取るために科目等履修生として、また農工大に3年ほど通いました。年若い後輩達や先生方がとても親切で、母校の有難さが身に沁みました。
採取したタンポポ
作成したタンポポ分布地図 (色付きの丸がタンポポを示す)
◎ 林 是道様(機械システム工学専攻 院平成19年)
- 輸入品の生サーモンが身近になり、寿司などでも人気食材となっています。
- 私の実家では昭和10年より淡水で鮭鱒の養殖を行ってきました。国産サーモンの増産を目指し、近年は循環濾過養殖に取り組んでいます。循環濾過養殖は、飼育水の濾過再利用による使用水量の大幅な削減と飼育の安定性が特長の新しい養殖手法です。国内の養殖業者として初めてこの手法に取り組んでいます。
- この取り組みの一環として、私の会社では別方式の循環濾過養殖を研究し、鳥取県にサーモントラウト養殖施設を建設しました。令和2年から生産を始め、年200tを目標に段階的に生産量を拡大しています。
- 幅広い技術の応用が求められる養殖という分野で、大学で学んだ工学を活かせていると思います。現在は事業を軌道に乗せることに腐心しており、研究室の先生と先輩方にもご助言を戴きながら、手作りで改良を重ねています。
関連Webサイト:株式会社日本養魚技術
株式会社日本養魚技術のホームページ
生産したサーモントラウト
養殖池